地域に愛着が生まれる、CAMPでの経験(SOKOAGE CAMPコラム)
底上げスタッフの横山です。
この夏にSOKOAGE CAMPは2回開催し、来月には初めて研修的にCAMPでの場づくりを学べる機会として、
場づくりを地域で学ぶCAMPが予定されています!(参加者募集中です!)
そこで今日はSOKOAGE CAMPの場づくりについて、特に地域との関わりについてお話しします。
SOKOAGE CAMPは、大学生や若手社会人など若者が合宿を通じて、
自己内省と対話を通じて自分自身が大切にしたいもの、ありたい未来について探究するプログラムです。
2016年に宮城県気仙沼市で立ち上げ、5泊6日の合宿を過去30回、コロナ禍でのお休みを経て、山形県庄内地域、
宮城県栗原市、蔵王町、福島県楢葉町など開催地域は広がり、実施日程も5泊に限らず、1泊や2泊など多様化しています。
一方で、実施の目的は基本的には「自己内省」と「対話」を通じて自分自身に向き合い未来を描くという点から変わりはないものの、過去250名を超える参加者の中から開催地域である宮城県気仙沼へ、延べ10名ほどが移住したり、開催後に庄内地域や楢葉町など地域を参加者が再び訪れる事も多くみられ、参加者が実施した地域へ愛着を持っている様子が感じられます。
地域への愛着はどの様にして生まれるのか、絶対的な法則はないものの、傾向として感じる点をいくつかお伝えしたいと思います。
地域コーディネーターを通して触れるその土地らしさ
SOKOAGE CAMPでは、とことん自分自身と向き合うための場所と時間を渡せる様にスケジュールや環境設計をしています。
そのため、日程のほとんどをワークを実施する場所で過ごす事が多くなります。
それであれば、都会の会議室でもSOKOAGE CAMPが成立するのか?
といわれると、違うなぁと思うのです。
底上げは東日本大震災後の気仙沼で活動を始めました。
右も左もわからないながらに始めた活動の中でスタッフが気仙沼から受け取ったものが沢山あります。
SOKOAGE CAMPを始める時、その受け取ったもののほんの一部でも参加者に渡せるものがあるのかもしれない。という想いで
ゲストをお呼びしたり、ワークを実施する場所として気仙沼の市内各地に足を運んだりしてきました。
気仙沼以外の地で開催する様になってからは、底上げが人や場所を参加者につないでいたその役割を
地域に根を張って活動している「地域コーディネーター」が担って実施しています。
SOKOAGE CAMPを通じて参加者に受け取って欲しい、地域らしさや、人のストーリーについて議論を重ね、
プログラムに組み込んでいます。
SOKOAGE CAMPの企画をご一緒する地域コーディネーターが持つ地域への想いが、
プログラムを通じて参加者にも届けられている様に思います。
心が動いた場所としての記憶
SOKOAGE CAMPでは、ゲストを招き、その方の人生をお話しいただくことがあります。
そして内省を深めるために、海が見える埠頭を無言で歩いたり、使いすぎた頭をちょっと休めるために、
居心地の良いカフェでモーニングを食べたり、これまでの枠から飛び出すために、海に飛び込んでみたりすることもあります。
多くの参加者は、開催している「〇〇」という地域に行くというよりも、
SOKOAGE CAMPが開催されていた為、初めてそこを訪れたという人がほとんどです。
しかし、日程が進み、参加者との対話が深まり、自分自身と深く向き合い、心が揺さぶられた…
その心と、空間や景色が噛み合って記憶に残っていく様です。
静かに歩いた海の香り、水の冷たさ…
寝ころがって模造紙を書いた時の、板張りの床や、窓の外から聞こえる蝉の声…
疲れていても毎朝みんなで準備して、いただきます!と言って食べた朝ごはん…
自分の心とつながった場所になることで、SOKOAGE CAMPが終わった後も、日常を過ごす中で、
少し立ち戻りたいと思う時に訪れる場所になっています。
地域の魅力を伝える事が目的ではないプログラムではありますが、
スタッフや地域コーディネーターにとって大切に思っている地域や場所に対して、
愛着を持ってくれる参加者が増えていくのは、嬉しいことでもあります。
観光で訪問し受け取るだけの美しさだけではなく、
自分自身の行動や気持ちと結びつく経験がその土地と人をしっかりとつなげる機会になっていると感じます。
”地域で場づくりを学ぶCAMPin有壁”では、過去に実施した際の参加者と地域の関わりについて紹介し、地域で場づくりを実施することによる参加者・地域双方へのインパクトについても考えていきます。
場づくりを地域で学ぶCAMPin有壁
日程:2023年10/7(土)-10/9(月) 2泊3日
参加費:50,000円
対象:社会人・学生
開催地域:宮城県栗原市有壁地区
募集締め切り:2023年9月29日(金)
※定員に達し次第募集を締め切ります。
横山沙織
認定NPO法人底上げ スタッフ
SOKOAGE CAMPに2016年の立ち上げより関わる。
最近は恐竜が大好きな娘に発掘に行きたいとせがませている。