【開催レポート】SOKOAGE CAMP わたしと社会を拡げる旅
11月は毎週末合宿に明け暮れておりました、齊藤です。
その合宿月間の集大成?がSOKOAGE CAMP「わたしと社会を拡げる旅」でした。
福島県楢葉町を拠点に、双葉郡を周りながら対話する2泊3日。今年3月にも本プログラムを実施し、今回は前回参加者を運営に迎え、体制も内容もさらなる充実をはかりました。前回のツアーについてかいたブログはこちら。
【近況報告】さいとうの底上げ事情
みなさま、こんにちは。底上げさいとうです。2025年もあっという間に四半期がすぎていきました。疾きこと風の如く、あっという間。 さてさて、今回は普段SNSなどの更新をしないので、底上げブログにて、近況でも報告してもようか [… …
イベント
その内容と、僕自身が感じたことをお届けします。需要があるかはさておき。
プログラム概要
実施日時は、11月28日(金)〜30日(日)の 2泊3日。当日の流れを簡単にまとめます。
1日目 楢葉町フィールドワーク〜わたしと社会を表すコラージュワークショップ〜焚き火
1日目は楢葉町を散策した後、「わたし」と「わたしを取り巻く社会」について捉えなおすとともに、集まった参加者同士を知る時間になりました。夜は福島の食材を楽しみながら、焚き火を囲み語る。すいとんうまい。火は偉大。

2日目 中間貯蔵施設にてフィールドワーク〜対話〜道の駅なみえでお買い物〜BBQ&ベーグル作り
2日目は、大熊未来塾の木村紀夫さんに中間貯蔵施設内を案内していただきました。
中間貯蔵施設の概要は、以下のとおり。
中間貯蔵施設は、福島県内の除染に伴い発生した土壌や廃棄物等を
最終処分までの間、安全に集中的に貯蔵する施設として、
東京電力福島第一原子力発電所を取り囲む形で、大熊町・双葉町に整備することとしています。
出所:環境省 中間貯蔵施設情報サイトHP

フィールドワーク後の振り返りでは、まとまることのない感情や思考を少しずつ出しながら、一方で自身の暮らしや仕事のあり方を問う時間になりました。
夜は参加者発案で、手作りでベーグルを焼きながら、庭でBBQという素敵な時間を過ごすことが出来ました。楽しみながらも話が深まる、良い夜となりました。
3日目 今話したいテーマで対話〜チェックアウト
OST(オープンスペーステクノロジー)という手法を用いたワークショップを実施。3日間を思い出しながら、この場で話したいテーマを出し、グループに分かれて対話しました。
最後にこの旅を通じて感じたことや学んだことを共有し、合宿終了。
濃密な2泊3日になりました。

「わたしと社会を拡げる」とは何だったのか。
さて、本プログラムの主題「わたしと社会を拡げる」とはどういうことなのか。
事前に運営メンバーで打ち合わせを重ね、テーマを決め、それを目指してプログラムの設計をしてきました。しかし、やってみると自分自身のテーマへの解像度が上がっていくのを感じました。これがそもそも私を拡げるということなのか…なんて思いつつ、運営しながら考えたことをつらつらとしたためたいと思います。
1. 知ること、体験することが私と社会を拡げる
これは想定通り。やはり知らないことに出会う、一緒に何かをやってみるという経験が、私がとらえる社会を変化させ、拡げていく。拡がっていくと、日常で気が付くポイントが増えていき次なる関心の糸口になる。そんなことが、現場でも起こっていた気がします。
今回、ベーグルを焼ける参加者がいました。「ベーグルの焼き方」なんて調べればすぐわかるけど、自分からは調べようと思わない。日常の生活環境から離れ、他者と出会い、違いを受け入れられる体制が整うと、ガシガシ情報が入ってくる。美味しいベーグルも焼き上がる。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言いますが、自分はこの間くらいがいいな〜と思いました。
行ってみないとわからん、やってみないとわからん。集まった人や土地から僕が得るものがたくさんありました。感謝。
2. 好奇心・関心を引き出し合う場の重要性
やっぱり場の力は大きい。後日、参加者が以下のようなことを伝えてくれました。
「自分は社会に対して関心を持っていること、自分らしくいても良いということ、など気づきがあり、勇気づけられました。」
「私」が普段感じ考えていることは、実は「私」のホンの一部な訳です。環境が異なれば、日常で影を潜めていた「私」の一側面が現れる。
これは外部からの新しい刺激があれば良いわけではなく、それに気付き、受け止め、感情を動かせる場のあり方があってこそなのだと、そんなことを感じたわけであります。「ありのままでいいんだよ」と言われてもありのままでいられない。言葉も大事だけど、雰囲気ってあるよね。日々ただ漫然と話していないか。言いたいことを言いたいように言って、満足していないか。反省反省。
3. 拡げて、その先どうするんだろう
前回も訪れた中間貯蔵施設。そこで起きたことについて、ごくわずかしか知らない、知ることができない、ということに、まずは毎回気づきます。さらに、そのわずかな一部を知って、私たちはどうしたら良いのだろうか。ここでまた頭を悩ませる。僕は未だ全くわからない。
知らない方が生きやすいことがある気がする。生きづらくなるように感じるのは、選択肢が増えるから。そしてその選択が影響する多面的な側面に気が付くから。それでも「私と他者と世界が持続的に良い状態であるために」は「知ること」は重要だと思うわけであります。ストレスがかかるかもしれないけど、合理的じゃないかもしれないけど、自分が納得できる行動に少しずつつながっていったら良いなと思います。

市民活動の実践の場
最後に、運営のみんなと関われてよかったなという話を少し。
前回同様、合同会社アンドアンテさんと一緒に企画運営したわけですが、今回はさらに、前回の参加者であり、底上げとは10年来の付き合いの仲間が一緒に運営に入ってくれました。ミーティングからずっと楽しく、お互い貢献しあい、下見にも行ったりして。控えめに言っても最高なチームでした。
事業をつくり、運営していこうとすると、継続性についての議論が生まれます。さらにその継続性の観点の中に経済合理性も含まれます。関係者にお金を支払えること、お金が貯まっていくことが事業の継続性に直結する。わかります。確かにそろばんをはじかずにやったら、大変。でも、やればやるほどお金が”貯まる”ということにどれくらいの意義があるんだろうとも思います。
話は変わりますが、「地位財」よりも「非地位財」の方が幸せが長続きするという研究があります。「地位財」とは、お金やモノ、地位といったもの、「非地位財」とは愛情ややりがい、他者との良い関係などのことを言います。
事業をつくる中で、「地位財」は横ばい、「非地位財」が膨らんでいく、そんな事業のあり方もいいなと思っています。過去繋がっていた人たちと、事業を通して関係性が再構築され、やりがいを持って取り組むことできる。その過程にたくさんの笑いと学びと感動がある。そしてわたしと社会が拡がっていく。そういうことを続けていきたいなと思いました。
あーー楽しかった!!!!ありがとう!!!!!

齊藤祐輔
副理事長
最近パンケーキを食べた。あれは罪。